004.4.「読ませる」ことができているサイトは非常に少ない!

「読ませる」ことができているサイトは非常に少ない

 ウェブサイトは、(表面上は)主に文字、画像、動画で構成されており、メディアとしての主な機能は「見る・読む」ものであると言えると思います。しかし、文字や画像のきれいさは印刷物には到底及ばず、動画にいたっては、回線速度の問題から低解像度のものを見るのがやっと、という状況がこれまで続いていました。しかし、近年の回線速度の向上やモニタの解像度の上昇、OS・ブラウザの描画処理能力の向上などにより、以前にくらべ「見る・読む」ためのメディアとして、紙媒体やテレビと同等とまではいかなくても、ストレスなく「見る・読む」ことができるようになってきています。これまでのウェブデザインは、技術的な問題から、可読性やデザインを妥協していた部分が多くありました。細い回線でストレスなく閲覧できることが優先され、デザインの良さや可読性は二の次といった状況が続いていたのです。しかし、現在のネット回線やPCの性能から考えると、それらの妥協点は「過去の遺物」であるとあえて断言します。つまり、デザインや可読性の悪さを上記のような理由で「できない」というのは言い訳に過ぎないということです。

1.TOPページを数秒しか見られないことが多い

 ウェブサイトはなぜ読む気がしなくなるのか」その答えは、「制作会社の手抜き・能力不足」ということになるのです。(もちろん「可読性」を上げるためには、それなりの手間がかかりますので、安すぎる制作料金では割に合いませんが) これまでの紙媒体が培ってきた「可読性」のための様々なノウハウは、限定的とはいえウェブ制作にもそれなりに適用できます。「見出しと本文の文字の大きさの比率」「行間・行長の設定」「読みやすく内容にあったフォントの指定」「見栄えの良い字間の設定」これらは、技術的制約によりある程度限定されるところもありますが、適切に設定することで、ウェブサイトの可読性・見栄えは飛躍的に向上します。しかし、紙媒体のノウハウを勉強せずに、昔ながらのウェブ制作手法しか知らない自称「ウェブデザイナー」は、こういうことには無感覚であることが本当に多いのです。

 パソコンを得意としない中高年の方がインターネットに違和感や嫌悪感を感じる人がいまだに多いのは、この「可読性・見栄え」の問題が大きいと個人的には感じています。デザインや編集の専門家でなくても、人は無意識に「読みにくさ・見栄えの悪さ」を感じ取ります。50代以上で紙媒体やテレビしかメディアを知らなかった方にとって、その品質の低さ故に、ウェブサイトは「違和感」を感じさせるのではないでしょうか。そのために中高年の方は「自分はデジタルは苦手」という勘違いをしてしまっているケースが少なくないのではないか、と推測します。しかし、当社から言わせればそれらの問題は「読ませる」ための努力・工夫を最大限に施した上で考えるべき問題だと思います。確かに中高年の方にはモニタで文字を読むことに慣れていない人が多いとは思います。しかし、紙媒体に肉薄する「可読性」を実現すれば、モニタに慣れることはそんなに大きな障壁ではないと考えています。
ソウサスが目指すウェブサイトのかたち―ウェブの利便性を活かしつつ、
本のようにストレスなく読めること

2.可読性において重要なこと

 では、可読性を高めるために重要なことは何でしょうか。先にも少し述べましたが、「文字」「行」「レイアウト」のだいたい3つの要素に分類されると考えます。つまり、「文字の大きさ・見出しと本文の大きさ/太さの比率」「行間・行長の設定」「それぞれの文章が占める面積と他の文章や画像との比率・位置関係」ということです。文字の大きさについては、ブラウザ上で自分の読みやすい大きさに設定できたりしますので、「そんなの気にする必要はない」という反論もあるかもしれませんが、パソコンの初心者にブラウザのカスタマイズ方法を教えるよりも、対象ユーザーによって初期設定上での文字の大きさを、製作者側で適切に設定しておくほうが親切だと思います。これらの「可読性」のため努力・工夫をあまり重要視していないウェブ制作会社は本当に多いです。むしろ、これらの主張は今のウェブ業界においては「主流」ではないかもしれません。しかし、今後ほとんどの先進国が高齢化社会になっていくなかで、「可読性」を軽視するウェブ制作会社は生き残れないと当社は考えています。「主流」で「先進的な(?)」ウェブ制作会社を選ぶか、「紙媒体の歴史」と「可読性」を重視する当社を選ぶか、それはお客様が自身のブランディングにおいて何を重視するかによって判断すればよいことであり、多様な選択肢が増えることこそ、ユーザーやウェブ業界にとって健全な未来が築けるのではないでしょうか。

本項のポイント―ダメサイトを作らないために(4)

  • 現状では「読ませる」ことを軽視しているウェブ制作会社が多い
  • 紙媒体のもつ「可読性」のノウハウをウェブサイトに活かすことは、かなりの部分で可能である
  • 高齢化社会においてウェブサイトの「可読性」は重要な要素となる
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