004.1.即時的な売上アップと長期的なブランディングの2本柱

即時的な売上アップと長期的なブランディングの2本柱

 これまで、「ウェブサイトは効果が出なければ意味が無い」ということを繰り返し述べてきました。ではここでいう「効果」とは具体的に何を指すのでしょう? 本章では当社が考える「ウェブサイトの効果」とは何か、「その効果を出すために必要なことは何か」を述べていきたいと思います。

1.ウェブサイトの「効果」

 「ウェブサイトの効果」とは何でしょうか? 誰もが思うウェブサイトの効果としては「売上のアップ」ということがあると思います。お店であれば、客数・客単価の増加、会社であれば新規顧客の増加やウェブサイトを通じての問い合わせの増加などでしょう。このような「効果」はチラシに近い効果をウェブサイトに期待することです。つまり、即時的な売上の上昇です。大抵のお客様はこの「即時的な売上のアップ」を期待されます。ウェブサイトをオープンするとすぐに売上がアップすると思われているからです。このような認識が広まっているのはこれまでのウェブ制作会社の営業のやり方に問題があったと思います。検索エンジンで適当に探したウェブ制作会社のサイトを見ると大抵「売上アップ」というキャッチコピーが踊っています。しかし、ウェブサイトの性質上、即時的な売上アップは容易ではありません。なぜなら、ウェブサイトの力で売上をアップするためには、次のようなプロセスを経なくてはならないからです。 1.ウェブサイトを知ってもらう→2.ウェブサイトを見てもらう→3.商品(サービス)を購入してもらう

 問題となるのは(2)です。多少でもインターネットをやっていれば分かることですが、「知らないサイト」にアクセスすることはほとんどありません。初めて訪問するサイトであっても、どこか別サイトからのリンクや、チラシや看板などの他メディアでの告知などがなければ、そのウェブサイトがいつどのアドレスでオープンしたのか知りようがありません。そのため資本力のある企業であれば、ウェブサイトがオープンしたことをCMや雑誌広告などのメディアや、Yahooなどの有名ポータルサイトのバナー広告に巨額の費用を投じて告知に力を入れます。Googleなどの検索サイトにお金を払って、検索の上位を買う方法もあります。SEO対策をすれば、検索エンジンからの集客を期待できると思われがちですが、SEO対策はウェブサイトをオープンして即時に効果を発揮するものではありません。

 つまり、即時的な売上アップのためには、告知にもそれなりの費用を掛けなくてはならないのです。はっきり言ってしまえば、ウェブサイトは告知にお金を掛けない限り、即時的な売上アップのためには不向きなメディアだということです。ある程度営業地域が限定されているのであれば、チラシを5万枚まいた方がすぐに効果が期待できます。

2.ウェブサイトが得意とする「効果」とは?

 では、ウェブサイトはどのようなことに一番効果を発揮するのでしょうか。結論から言えば、「中長期的なブランディング」ということになります。つまり、「中期」とは2〜5年くらい、「長期」とは10年くらいかけて、少しずつブランドの価値を高めていくということです。そして、それによって売上を徐々に高めていきます。ウェブサイトは、適切なSEO対策をしたとしても、アクセス数が伸びるまでに数カ月はかかります。そして、伸びたアクセス数を維持し、さらに多くのアクセス数を稼ぐには、定期的に適切な更新作業が必要です。大抵のウェブサイトはこの部分を怠ることで失敗します。そして「高いお金でウェブサイトを作ったのに、全然効果が出なかった」ということになるのです。当社の経験からすると、アクセス状況を分析した上で戦略的な更新作業を続けていけば、高い確率で売上は少しずつアップすることがわかっています。「宣伝しないと大きくは儲からない(中には宣伝せずに売上が5倍以上にアップしたケースもありますが)けれども、中長期的にはかなり高い確率で売上やブランド力がアップする」というのが当社が考えるウェブサイトが発揮しやすい「効果」です。

本項のポイント―ダメサイトを作らないために(1)

  • ウェブサイトは基本的に「中長期的なブランディング」に効果を発揮しやすいメディアである
  • 即時的な効果を出すにはそれなりの出資が必要
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